昨今、さまざまな団体が、それぞれの理念の下に、さまざまなアプローチでサステイナブルコーヒーに取り組んでいます。どのアプローチが最も有効であるかは簡単には言えません。自然環境問題だけではなく、貧困問題や人権問題、教育問題、保健衛生問題など、政治・経済・社会にわたる相互に関係し合った数々の問題を、多面的・多層的に考える必要があるからです。それぞれのアプローチを理解した上で、そのメリット・デメリットを議論していくことは大切ですが、一番重要なことは、サステイナブルコーヒーの運動全体を盛り上げていくことです。
安全・安心でおいしいコーヒーを私たちが飲み続けるためには、つまりコーヒーのサプライチェーンをサステイナブルにするためには、サプライチェーンの終着点である消費者がサステイナブルコーヒーを理解する必要があります。日本では、コーヒー業界でもサステイナブルコーヒーについて正しい認識が広まっているとは言いがたい状況です。個々人がサステイナブルコーヒーを選択して購入することが、サステイナブルコーヒーの運動を盛り上げる一番の原動力になります。
コーヒーは、石油に次いで世界で2番目に取引金額の多い一次産品と言われています。消費者の日々の選択が、大きな影響を世界にもたらします。地球の未来のために、日本から変えていきましょう。そのために当協会は、サステイナブルコーヒーに取り組む団体や企業と幅広く協力しながら、セミナーなどのイベントやウェブサイトを通じて、正しい情報・新しい情報を積極的に皆様にお伝えすべく努力してまいります。
日本サステイナブルコーヒー協会
川島 良彰